布団を干す男

布団を干す男、晴れてれば必ず干す
昨日干したって関係ない
男は晴れの日がつづけば、それだけ干す
白夜なら干しつづけて眠らないかもしれない
男の天敵は、にわか雨
男は念入りに布団をひっくり返す
すべてが太陽に触れるように
ダニの逃げ場なんてない。一網打尽
太陽が味方についてる
誰かが男に真実を話した
「布団干した後の太陽の匂い、ダニの死骸の匂い」
そんなことを男に話したヤツがいる
男が布団を干さなくなった
悲しい話
そんなこと教えるな
最低な話だ
男は幸せだった
布団を干して、太陽の匂いがする布団に、
仕事で疲れた体で飛び込むのを楽しみにしてた
ダニの死骸の匂いだと世間に広まりはじめた
みんな布団を掃除機でキレイにする
ダニの死骸もキレイさっぱり吸い込むのさ
男は貧乏、そんなの買えない
かわいそうな布団を干さなくなった男
今日は晴天、太陽の本領発揮
布団を干せ
いい匂いだぜ
まわりの言うことなんて無視しろよ
真実なんて誰かが決めた理想
掃除機屋の陰謀
おまえの気持ちいいことしろよ


おわり