アクション映画みた帰り、俺はゴルゴ13

「アクション映画みた帰り、俺はゴルゴ13」

俺は、少しも気を抜かない男、

自己管理にも気を使う

最高のパーフォーマンスを常に発揮できるよう肉体を維持する

そんな男

いつ誰に殺されるかわからない

楽しい映画をみた後だったとしても

むしろこんな、うかれ気分のときが危ないと知っている

指先にまで意識を流す、俺はゴルゴ13

目つきはするどく、周りを見渡す

映画館を出た

ベンチに杖をもった老人が座ってる

あいつはソビエトのスパイ。

ただの老人にみえる

だが、俺の目はごまかせない

杖には、ピストルが仕込んである

俺にはわかるのさ

老人は、気づかれてないと思ってる

みえてるぜ

横目でお前をみてる

ピストルが、いつ発砲されたってよけてやる

カモン、カモン

よけるなんて造作もないのさ

「キキィーッ!」

あぶねぇ、気を抜いてた。自転車だ

目を覚ました

俺ゴルゴ13じゃない

老人、ソビエトのスパイなんかじゃない

暗殺以前に交通事故で死ぬ

新聞にのる

「ゴルゴ13、交通事故で死亡」

 

感情移入しやすぎるのも考えもんだ

よく考えたら

ゴルゴはこんなに、喋らねえ

なりたくても、おしゃべりの性分は変えられないらしい

まいったね

 

 

おわり