みにくいアヒルの子 その後

姿形が、周りのアヒルと違うアヒルの子がいた

皆が、彼を「みにくいアヒルの子」と呼び、いじめた

「なんでおまえはそんな色なんだ」

時がたつと、みにくいアヒルは、美しい白鳥になった

みにくいアヒルは、みにくくなく、アヒルですらなかったのだ

白鳥は飛び立ち、美しい羽ばたきを魅せた

「あ、飛び立ってしまった」

一匹のアヒルがつぶやいた

「彼にはもう会えないのだろうか・・美しい彼への嫉妬心でずいぶんといじめてしまった・・・」

ヒルは、白鳥が飛び立ってからずいぶんして、白鳥の彼に憧れていたと気づいた

「僕も彼のような美しい鳥になりたい」

ヒルは努力した

白鳥のような姿になるために、食事を減らし、白鳥のような曲線美をもった首になるため、ギブスをはめた

周りのアヒルは、かわいそうなものをみるような目で、言った

「私たちはアヒル。白鳥にはなれないよ」

ヒルは仲間たちの言葉に、聞く耳を持たない

ヒルは、白鳥になるため努力し続けた

食事を減らしたおかげで、どこにあるのかもわからなかった首が、どこにあるかわかるようになった

「ああ、なんて美しいんだろう。もっともっと首の曲線がほしい」

しまいにアヒルは、

「白鳥はこんな色をしていない」と、体にペンキを塗りたくった

「そうだ、こんな色だ」

「彼のように美しく飛んでみよう」

ヒルは飛んだ。その姿は白鳥そのもの

ヒルはついに手に入れたのだ、憧れの姿を

「はっ・・はっ・・・はぁはぁ・・」

何ヶ月もろくな食事をとっていない体で、飛び続けることは難しかった

ヒルは、どんどん高さを失っていく

体はやつれ、もう彼をアヒルと呼ぶものはいなかった

「あともう少し、飛んでいたい。この姿で」

体に塗りたくったペンキが次第に固まりはじめる

そして、ペンキが固まり、羽は本来の軽さを失った

どさっ。アヒルは、泥の中へ

「大丈夫かい?」と、声がした

顔を見上げると、そこには、飛び去った白鳥の彼

白鳥は、水でペンキをぬぐってあげながら、アヒルに言う

「なんでこんなことを」

ヒルが言う

「君のような、美しい鳥になりたかった」

白鳥は、不思議そうにたずねる

「みにくいと言っていたじゃないか」

ヒルは「そのとおりだ。」と恥ずかしかった。そして、今の思いを伝えた

「あれは本当にひどいことをしてしまった。君が去った後、君の美しさを思い出したんだ」「だから、君のような美しい鳥になろうと」

「・・・・そのままでも君は美しいよ」

驚いた

「アヒルの僕が?」

「そうだよ。僕はアヒルに憧れていたんだよ」

「そんなに美しいのに?」

「そうだよ。でも、僕は白鳥。アヒルにはなれなかった」

「・・・僕も白鳥にはなれないのか・・・」

「自分じゃない自分になろうとすると体を壊すよ」

彼のいう言葉は、経験者の言葉だった。アヒルは、現実を知り、とても悲しくなった。

その悲しそうな顔をみた白鳥は、「自分と同じだ。」と思った。そして、なんとかしてあげたいとも思った

「僕と友達になってくれないかい?」

ヒルは嬉しかった。美しい白鳥と友達になれるなんて

「でも、僕は君をいじめた。いいの?」

「いいよ。それに、僕のためでもある。君と友達になったら、白鳥の良いところを沢山教えてくれそうだ。白鳥が好きになれるかも」

「じゃあ、僕はアヒルの良いところを教えてもらおうかな?」

彼らは、互いの素晴らしさを知る親友になった

 

 

おわり