空をみつめて

 

その男は、いつも空を見つめている。仲間と一緒に昼食をとった時も、急に姿を消したと思うと空を見つめていた。そして、にやりと笑う。

最初はみんな不思議がって質問するのだけど、この男とんでもなく口下手。

「いやあ、これが好きなんです」としか答えない。みんなそこまで興味があるわけじゃないからそれ以上は聞かない。

私は気になって仕方なかった。でも、男ははぐらかす。私はそういうことをされると、さらに気になってくる性格だ。

「別にそこまで興味ないからな」という思いと「教えてほしい」という思いを行ったり来たりする。

私は男が答えるまでおいかけまわした。

 男がいつものように空をみている。私はそれを見ている。

「この空、どんな風にみえます?」

 質問してくるなんて、めずらしいことが起きた。これは答えがきけるのも近いかもしれない。友好的にいこう。

「そうだな、澄み切った青空で、洗濯物がよく乾きそう」

「ほうほう、では、ちょっと前に悩みがあったけど、今は解決してすっきりしてます?」

「占い師か」

当たってる。

「自然をどんな風に感じるかで、その日の調子がわかるんですよ」

「人間って疲れてても、忙しいと気づかないフリしちゃいますけど、自然を前にするとそうはいかないんです。元気だと明るく見えて、元気がないと恐ろしくみえる。だから、僕は調子を確認するために、朝昼晩と自然をみることにしてるんです」

 私は笑みがこぼれた。いいことを聞いた。

「そうだ、こっちも質問していいですか?」

「なに?」

「先輩ってぼくのこと好きなんですか?」

 さっそく私は、今の思いを知るため空をみた。

 流れてきた雲がウ○コにみえた。