雲と火と海と記憶

「雲」

漠然とした、もやもやのようなものが、常に近くにいる。

それが視界を遮る。

未知と名付けることにする。

これは一生付きまとう、秘密を持つ雲。

宝が隠れているのか、ナイフが隠れているのか、分からない。

 

「火」

一瞬で燃え尽きる火ほど、私の網膜の裏に焼付く火は無い。

消えてしまったから、永遠に記憶から消えないのだ。

記憶から消す前に、消えられてしまっては、消せない。

 

「海」

砂浜にくぼみを作る。

海が押し寄せ、海が掘られたくぼみを意識しながら、去っていく。

海は私の痕跡を感じているのだろうか。

 

「記憶」

水が怖い。

テーマパークにある、作られた水ですら怖い。

これは、どこからの記憶。