涙と味と透明度

心臓をわしずかみにされたような感覚で、涙がわきでる。

どうして泣いてるのかわからない。

心がいっぱいになってなにがなんだかわからないから吐き出してる感じさ。

涙の理由を知りたいなら、涙の雫をひとつずつ調べればわかるかもしれない。

きっとぜんぶが違う味と透明度だ。

それに、理由がわかってても説明なんかしたくない。理由を説明したら、それ以外の涙がひっこんでしまう。

ただ泣かせてほしい。

優しいクラシックで、くだらないコメディーで。

誰にもみられたくない涙がこぼれる。

説明できない涙は、誰にもみられたくない。

それは、深くて深くて暗くて恐ろしい。

自分でも説明できない動きには、自分の奥底の本能が生命がある。

そんなもの人になんかみせられない。こちらの世界に引きずり込んでしまう。

神のような人にみられれば、自分でも知らない涙の理由があきらかになって、恥ずかしい。

自分の知らない恥部なんて、隠すことはできない。

泣いている。人前で。

そんなことしないと誓っていたのに。

涙の純度は増し、量は無限に思えた。

私の内側がぜんぶひっくりかえるまで、涙は止まらない。

やっと泣けた。

悲しい、そのときに涙って出るもんだと思ってた。

悲しいのかもわからないのに涙は出るし、

悲しいより悔しいときに涙はでる

心がちょっと落ち着いてしまったときに涙はでる

すぎさった後ろ姿に、涙は出るんだ