雫と光

朝から止まない小雨

この街の中心にあるビル群も雨の雫を身にまとい、無機質な存在も自然にあてられ生命を宿す。

灰色の空、濡れたビル群、歩く人々のカラフルな傘や衣装も雨の世界に包まれ発色が抑えられる。

朝、昼、いつまでこの灰色の世界は続くのだろうか。

住人達は、長く続く暗闇に我慢できず、いつもより早めに街に明かりがつけていく。

ぽつり、ぽつりと夜が世界の下地色に少しずつ滑り込みながら、明かりも増えていく。

世界の下地色が全て夜になったとき、朝、昼と長い時間、空が世界にちりばめた雨の雫が姿を現す。

街の全てにはりついた雫は、街の明かりをとりこみ、乱反射させる。

街の明かりは、人々を誘い込むための明かり。

だから、そこに住む人々の欲望の色ほど多様な色がある。

飲食店の明かり、歓楽的な明かり。

人々を誘う様々な明かりが、街のいたるところにある雫に入り、乱反射する。

街全てが宝石になったようだ。

きらきらとひかり、幻想的だ。

私は透明傘にのる細かな雫たちを傘裏から眺める。それら一つ一つが光をとらえる宝石。

私は人生でもっとも多くの色を身にまとっている。